第58回 スーパーボウルの感想

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みなさん、こんにちは。元コーチDです。
最近全くアメフトも、NFLも見れていませんが久しぶりにスーパーボウルだけは見れたので感想を書いていきたいと思います。
ただし、私は恥ずかしながら2023-24シーズンのレギュラー、ポストシーズン、共に全く見れていません。そのため事前情報全く無しで見た感想なので、そこをご理解いただければと思います。

目次

  • スーパーボウルで対戦の両チームへのイメージ
  • 両チームのここまでのスタッツ
  • 両チームのQBについて
  • スーパーボウル前半
  • スーパーボウル後半
  • スーパーボウルでのOT(オーバータイム)
  • まとめ

スーパーボウルで対戦の両チームへのイメージ

というわけで、第58回スーパーボウルに進出した2チームについてのイメージです。
対戦カードはサンフランシスコ49ersとカンザスシティチーフスでした。(以下、49ersとチーフス)

23-24シーズンを全く見ていないとは言っても、それより少し前の21-22,22-23シーズンは見れてましたので私の中ではその頃から選手・コーチなどが更新されていません。しかし両チームとも大枠は変わっていませんでした。

まずはチーフスですが、HC(ヘッドコーチ)はアンディリード、QB(クォーターバック)はパトリックマホームズが私の中のイメージでした。もちろん他にも素晴らしい選手はいますし、今回に関しては選手の恋人の方が話題になっていたりもしましたが、とにかく私の中ではHCとQBがこのチームの印象でした。

一方で49ersはHCがシャナハン、とにかくこのイメージが強い。特に彼のやっているスタイルのオフェンスが結構好きだったりもしたので前にNFLを見ていた時も49ersの試合はちょこちょこ見ていたりもしました。ただし、こちらのQBパーディについては正直・・・イメージがない・・・というのが正直なところでした。予備知識全くない状態で試合を見ていたので何が得意なのか、どんな特徴のQBなのかも全くわからず試合を見始めたのでそこを考えながら見ていた感じでした。

私自身、オフェンス出身の人間なのでまずは両チームオフェンスが気になってしまう部分が大きいのですが、特にこの2チームに関してはオフェンスの印象が強かったですね。

両チームのここまでのスタッツ

情報を得たタイミングが前後しますが、両チームのここまでのスタッツを試合後に振り返りました。

本当に勝手なイメージで、どちらもハイパーオフェンスでここまで勝ち上がってきたものと考えていましたが、意外にもそれが間違っていたのが試合中にわかりました。詳しいことは後から調べましたが・・・。

まずチーフス。とにかくこのチームはQBのマホームズありきです。現役QBでは間違いなく最高の選手の1人でしょう。
しかし調べてみると今シーズンに関してはチーフスはハイパーオフェンスのチームではありませんでした。

一方、49ersについては現代のパス中心のオフェンスではないイメージだったので爆発的なオフェンスではないのかな・・・というのが印象でした。

後から調べたところ、なんとレギュラーシーズンの結果では

TD数パス獲得ヤードラン獲得ヤード
チーフス17位/32チーム7位/32チーム19位/32チーム
49ers1位/32チーム6位/32チーム3位/32チーム

上記のような形でした。

22-23シーズンなんかですとチーフスはTD数、パス獲得ヤードが共に1位でした。しかもパス獲得ヤードはリーグ唯一の5000ヤード獲得チーム。このイメージが強かったのでTD数およびパス獲得ヤードがこの順位なのは驚きでした。

一方で49ersについてはTD数が1位にまずびっくり、ラン獲得ヤードについては上位ランクがイメージ通りでうがパス獲得ヤードでも6位と上位だったので少し意外な印象ですね。

なので、チーフスがここまで上がってきたのは当然、今年のディフェンスの頑張りだった、というのが答えになります。

両チームのディフェンススタッツを見てみると

失点数パス喪失ヤードラン喪失ヤード
チーフス2位/32チーム4位/32チーム18位/32チーム
49ers3位/32チーム14位/32チーム4位/32チーム

ということで、両チームともディフェンスがリーグ全体で2位と3位の結果でした。ここまでディフェンスが牽引してきたチーム同士のスーパーボウルもなかなか珍しい気がします・・・。

結果的にこの強力ディフェンスがスーパーボウルの試合開始当初から顔を覗かせる結果となりました。

両チームのQBについて

正直、49ersのパーディって・・・。というのが印象でしたが、こちらもスタッツをみると意外や意外、驚きました。

パス成功率QBレーティング平均パス獲得ヤード(yds/att)
マホームズ67.2%(7位)92.6(12位)7.0ヤード(18位)
パーディ69.4%(2位)113.0(1位)9.6ヤード(1位)

順位は10ゲーム以上プレーした選手をカウントしています。

まずリーグ内順位を見た感想ですが、マホームズとパーディの順位逆じゃない?というのが最初の感想です。私の中でのマホームズのイメージが強大すぎたのか、パーディを知らなさすぎるのか・・・。

ただ、成功率ですがいずれも60%台後半となっておりかなり優秀な数字でした。ただし、そもそものパス試投数がマホームズの597回(3位)に対してパーディの444回(20位)なので成功率だけの話をしてもなかなか比べにくい部分もあるかもしれません。戦術としてのチーム方針もあるのでここが大きく分かれているところですね。

QBレーティングもマホームズが100切ってるのが意外、そして1試投あたりの獲得ヤードについても順位は大きく差が開いていました。今年のマホームズはなかなか苦労したシーズンだったのかな?とこれだけみると思ってしまいますね。

スーパーボウル前半

はい、ここまでだらだら書いてきて申し訳ないですが、ここから試合の話です。

個人的に見ながらの感想ですし、戦術的に詳しくもっと知りたい、という方は専門家の方やアメリカのスポーツニュースなどの解説動画がたくさんあると思うのでそちらもご覧いただければと思います。

第1Q

まずお互いのファーストシリーズですが、49ersはいきなりイメージ通りのオフェンスを展開してくれました。

これ、49ersの2プレー目ですが1プレー目と近いフォーメーションでした。
1プレー目が画面で言うと上側へのランプレーであっさり6ヤード前進、その後プレーですが、ここから同じサイドにランプレーの動きでした。

そのため49ersのOLは白の矢印のように全員流れて行きます、それに合わせてRBも白い矢印に沿ってオープンへのランプレーの動き。そのためディフェンスも赤い矢印のようにオフェンスの動きに合わせて動きます。なんせ1個前のプレーとほぼ同じ動きでしたからね。

しかし、シャナハンのオフェンスの特徴がいきなり出た!と感じたのはここからで

なんといきなりプレーアクション、いわゆるランプレーと見せかけたパスプレーでした。画面上側へのランプレーと見せかけてQBのパーディが画面下側へボールを持って走りながらターゲットを探します。ディフェンスもランプレーじゃなくてパスプレーだ「!」と気がついてQBを追いかけますが時すでに遅し、あっさりパスが決まりいきなりファーストダウン更新を許してしまいました。

と言うわけで、私の中のシャナハンオフェンスらしいところがいきなり見れて満足な部分でした。
正直この後もモーションを使いながら中央のショートパスは通すし、中央のランであっさりファーストダウン更新したりと、非常に良いテンポでのプレーが展開されました。

チーフスディフェンスも中央に人を寄せながら守ってましたがなかなかペースを掴めず、正直「あーこのまま49ers先制だな、まぁ時間あるしチーフスも焦るところじゃないよね、マホームズいるし」みたいに思ってました。

が、なんとこの後5プレー目くらいで49ersにファンブルがあり、せっかく良いテンポでプレーしてたのにあっさりターンオーバーになっちゃいました。今から考えればここで先制しておけば・・・と言うシーンでしたが非常に残念なシーンでした。

はい、変わってチーフスオフェンスですが特に解説するところもなく3&outでパントで攻守交代でしたね。
NFLの場合ですが、プレーコールと言われるプレー選択ですが実は開始直後の10プレーくらいは事前に決められていると言われています。なのでチーフスがいきなりパントになっても良いとか悪いとかじゃなく、相手の守り方の情報が得られましたね、と言うくらいの感覚でした。

プレーしている選手も同様の感じですしファンブルで攻守交代となったゲームでしたが変な動きはないのかなぁ、と言うのがお互いのファーストシリーズを見た感想でした。

その後の49ersオフェンスですが、あっさり先制しても驚かないなぁと思いながら見てました。ファーストシリーズはファンブルが偶然起こっただけだし、あまり気にするところでもないですしね。
結局このあとはパーディの中央へのパスも決まるし、あれ、このQBパスしっかり決めてくるなぁと思いながら見てましたが・・・このシリーズも得点には至りませんでした。ここ、解説しないですが単純にペナルティですね。非常に勿体無い。。。

このあとのチーフスもパントのリターンが全くできず、良いポジションからプレーができず2シリーズ続けてパントで攻撃を終了します。

49ersの3シリーズ目が始まるところでしたが、ここでチーフスディフェンスを改めて見ると

画面右の赤丸で囲ったようにSF(セーフティー)を2枚配置する、いわゆる2highの状態でした。ここまでランプレーが続いている相手に対して後方に人を増やす2highを使っていたのであまり攻めたディフェンスしてないんだなぁ、と言う印象でした。

はい、と言うわけでちょっと細かくやりすぎているのでここから飛ばしながら話しますが結局第1Qでは両チームともに得点はありませんでした。
ここまでの流れで無得点もなかなか珍しいな・・・と言うのが見ながらの感想でしたね。

第2Q

はい、と言うわけで第2Qです。

ここからかなり飛ばして話しますがまず先制は49ersのFGでした。なんとスーパーボウル最長記録をあっさり成功。
試合の序盤で長い距離のFGが決まるとコーチとしては非常にありがたいです。なんせそこまでオフェンスが進めば3点は確実に取れる計算が立ちますからね。

実はこのFGの前にはチーフスの素晴らしいディフェンスカバーがありましたがその解説はいろんな方がされてるので飛ばします。5thdownチャレンジさんなんかで動画が出てたので、そちらの方がわかりやすいです。見てて、「え、このシチュエーションでそれやる?」と思いましたが結局は素晴らしいマンカバーでしたね。

はい、と言うわけでここまでなかなか良いところのなかったチーフスオフェンスですが、この直後にさすがマホームズと言うプレーがありました。

このシーンですがパスプレーになります。49ersのパスラッシュが激しいので逃げるマホームズ

画面上側、マホームズから見て左側に走りながらのパスになります。自分でも投げれるし走れるマホームズの特徴ですがこの後のパスが・・・

はい、これです。わかりにくいかもしれませんがマホームズは自分から見て左側に走りながらのパスですが、パスキャッチをしたのは右のサイドライン側の選手でした。左に走りながら右に投げる、しかも軽く50ヤードは投げてますからね、これ。こんなのが走りながらでも決められるのがマホームズです。GOATと言われたトム・ブレイディにはこれはなかなかできなかったですね。

しかし、この日のチーフスにはなかなかエンジンがかからず、なんとこの直後のプレーでファンブルが発生、せっかくレッドゾーンに侵入したのにあっさり攻守交代でした。

はい、実はこのあとはさらに地味な展開でした。こんな言い方をしたらディフェンス出身の方に怒られそうですが、この後両チームのディフェンスがかなり粘り強く戦いました。第2Qも残り5分を切るまでこう着状態といっていい状態でしたね。49ersも1Qによく使っていたプレー開始前のモーションも頻度を減らして手を変えながらやっていましたが、こう着感は拭えませんでした。

しかもこの後でチーフスはディフェンスが頑張っているところで選手が熱くなりすぎたのか、プレー後のちょっとしたいざこざでペナルティを取られて罰退がありました。大きなゲームなので気持ちが入りすぎたんでしょうか、もったいないなぁ・・・と思ったところでした。

ただ、ここですごいのが49ersのシャナハンHC。普通なら相手のペナルティで前進できてラッキーくらいに思うのですがこの直後でした。

WRが画面手前に3人並ぶ、いわゆるバンチフォーメーション。

プレーが始まった瞬間、#15のWRが後ろに下がります。これを見た瞬間に「まさか!?」と思いましたが

QBはこの下がった#15のWRにパスを成功も・・・

なんとそのもらったパスを逆サイドに戻します。実は最初のパスはQBから見て後ろへのパスなので前パスにはカウントされず、この2本目のパスが最初の前パスとなります。結局このパスを受けた#23がそのままボールを持ち上がってエンドゾーンに飛び込みTDとなりました。

これ、プレーとしてはダブルパスと言ってたまにNFLでも見るシーンです。ただ個人的にすごいと思ったのはこれをコールするタイミングですね。相手のペナルティ直後であり、尚且つゲームがこう着しているシーンの中でしたのでかなり良いタイミングでのプレーコールだったと感じます。

結局このあとはチーフスオフェンスにボールが渡ります。時間がない中ですがさすがのマホームズもパスを決めますがTDには至らず、結局前半終了間際にFGが決まり、前半は チーフス 3 – 10 49ers で折り返しとなりました。

正直、試合開始前はチーフスのハイパーオフェンスをいかに49ersが抑えるか、とか考えていたのでロースコアとなった試合に驚いていました。
ただし前半終了間際のマホームズのパスシリーズはさすがでしたし、劣勢に感じているとは思いませんでした。

一方での49ersですがパーディのパスが決まっていくのに驚いていました。後から調べたらシーズンでの成功率も高いですし当たり前かもしれませんが、シャナハンのオフェンスにハマっているQBだなぁとの感想でした。(スーパーボウルまで来てるので当たり前ですが・・・)

スーパーボウル後半

と言うわけで、スーパーボウルの見どころの一つ、ハーフタイムショーとかすっ飛ばして後半です。
前半終了間際にチーフスはFGで3点を追加し1TDで追いつく7点差での折り返しでした。焦っていなかったのはこの試合、チーフスは後半にリターンを残していたので最初のシリーズでいきなり追いつくとかもありえるな、と思っていました。後半にリターンから始められると前半に焦って無理に得点を狙わなくて良いメリットがあります。

で、後半の最初のシリーズですが流石に焦りました。ランプレーでもボールを落としたりするし、おいおい・・・と思ってたらなんとマホームズがインターセプトを献上!
あれ、なんかおかしい・・・と思い始めていました。

そして結局第3Qはこの後10分以上またもこう着状態が続きます。パーディは3rd downシチュエーションをパスで更新できず、マホームズはパスは決まっているものの49ersディフェンスが粘り最終的には3rd down longのシチュエーションを守り切ります。

この後、残り5分の段階でなんとチーフスがFGを成功、しかも2Qに49ersが決めたスーパーボウル史上最長FG記録をあっさり更新!

ここで得点できるのはデカいなぁと思いますが、あっさり最長記録更新にびっくりですね。今回が室内開催だからこそかもしれません。

で、実はこの辺りから49ersオフェンスのスタッツ、というか経過が怪しくなります。なんせ3Q10分経過時点でで3rd down コンバージョンが1/6・・・つまり3rd down が6回あってファーストダウンを更新できたのが1回のみ。これ、1st down, 2nd downでロスして下がってしまうことがあるとファーストダウンが確実に更新できなくなります。オフェンスとしてはリードして言えるものの非常に苦しい状態ですね。

QBパーディもなかなかパスが決まらなくなり、あれ、試合序盤はパス決まってたのに・・・と言う感じ。思い出してみるとパーディですが中央寄りのパスやプレーアクションでは非常にパスがうまく感じます。しかし大外のロングパスとか、ドロップバックのパスとかは抜群にうまいかと言われると・・・と言う感想です。シャナハンオフェンスの真骨頂であるプレーアクションが抜群に上手い分、それ以外の箇所についてはちょっとうまくいっていない状態でした。

この試合がこう着している状態で、なんとびっくりするプレーが飛び出します。3Q残り3分を切ったところで49ersのパントリターンのシチュエーションでなんとボールがリターナーの前にいる選手に当たってしまいフリーボールに・・・それをチーフスがカバーしてなんと相手ゴール前のレッドゾーンからオフェンスの機会を得ます。

そこでのファーストプレーです

これ、注目すべきは白丸で囲った49ersのSFの選手です

このシーン、リプレーなどで見返してもらえるとわかりますが、プレーが始まった瞬間にこのSFの選手が前に上がってきます。スカイとかローテーションとか言われますが外のランプレーやこの上がってきたゾーンを強化することを狙った49ersのディフェンスサインでした。しかしこれが結果的に致命的なすれ違いを発生させます。チーフスの大外にいる赤い矢印の動きをしたWRはシンプルに縦に走ります。

パスラッシュもかからず、結局マホームズからするとこのすれ違いを見逃すはずもなく、あっさりパスが決まります。
動画で見返してもらうとわかりますがこのSFとWRが綺麗にすれ違い、このWRをマークするディフェンス選手がいないためパスキャッチしてTDをした瞬間にこのWRの近くにはディフェンスの選手が誰もいませんでした。

あっさりチーフスが逆転してこのまま3Qが終了しました。

勝負の4Qに入った段階で得点はチーフス 13 – 10 49ersという形です。

4Qに入ったあたりからハイライトにもまとまっていますが49ersがモーションを再び使い始めます。
前半の最初の頃のプレーに戻してきた感じでしょうか。個人的には好きなプレー展開に・・・

結局このあとはレッドゾーンまで攻め込んだ49ersがギャンブルも乗り越えてTDで再び逆転が起こります。と思いますがなんとこのあとのTFPのキックを失敗。得点はチーフス 13 – 16 49ersになります。このあとこの1点がかなり響いてきます。。。

この後のチーフスはマホームズが好調でパスを決めますがレッドゾーンまで攻め込むものの最後は49ersが粘り勝ち、結局FGに持ち込みます。

4Qも終盤の段階で得点は16 – 16と同点の展開。先ほどのTFPを失敗したのが悔やまれます。。。

しかしその後、49ersオフェンスがロングドライブで時間を使いながら残り2分を切ったところでFGを成功し3点差でチーフスをリードします。

残り1分53秒からチーフスオフェンスが始まりますが、マホームズは落ち着いていますね。もうただの感想ですがさすがとしか言いようがない。僅か1分を経過したところでFG圏内にポジションを進めると残り10秒の段階でゴール前11ヤードに前進します。難しい場面でしたが最後はきめ打ちのパスを投じますが失敗。FGを蹴って同点としてOT(オーバータイム)に持ち込みます。

スーパーボウルでのOT(オーバータイム)

はい、というわけでスーパーボウルでは珍しいOTです。どうやら今回からルールが変わったようで、最初のオフェンスシリーズの結果だけでは勝敗が決まらないルールに変わっていたようです。

と、ここまでかなり長くなってしまったので最後に勝敗を決したプレーだけ説明して終わりにします。

このシーン、非常に厄介ですが簡単に言うとオフェンスのWRモーションに対して一瞬だけディフェンスのアジャストが変更になる瞬間を狙ったパスでした。

同じ色の選手同士がマンツーマンしているイメージです。大外の水色で囲ったWRには同じ色で囲ったディフェンスの選手がマンツーマンをするサインでした。しかしこのプレー開始直前に水色のWRがモーションをします。

この瞬間、ディフェンスの選手はマンツーマンする相手を変更したはずなんです。おそらく外から相手をずらしてマンツーマン相手を変更しているので水色と赤色のディフェンスの選手がマンツーマン相手を変更しています。モーションした選手は色をオレンジに変えています。おそらく画面手前側のディフェンスの誰かがマンツーマンするはずでした・・・

しかしなんとこのモーションした選手が突如モーションの方向を逆に変えて画面上側に走り始めます。その瞬間にプレーが開始されます。これをされるとディフェンスはもう大混乱です。なんせモーション相手を変更した直後ですし、水色のディフェンス選手はマンツーマン相手を変えてしまっているので変更もできない状態でプレーが始まります。

最終的にやばいと思ったのか赤い丸で囲っていたディフェンス選手がモーションをした選手にマンツーマンを試みますが時すでに遅し、オレンジjで囲っていたWRはほぼフリーの状態でパスをキャッチしてそのままTDとなりました。

このプレーですが、なんとチーフスは過去にも同じことをやっていました。

https://www.youtube.com/watch?v=_gXU353fwRk

リンク先はNFL Youtubeチャンネルです。試合はなんと前年の第57回スーバーボウルのワンシーン。
同じように大外のWRがモーションして、急に方向を変えてコースに戻るようなプレーでした。全く同じスキームと言っていいプレーでした。

これされるとディフェンスは非常に守り難いです。49ersはモーションにディフェンスがついていこうとせず、マンツーマン担当をスライドすることで対応しようとしましたがうまくいかず、一方で前回のイーグルスはモーションにディフェンス選手がそのままついていくことを選択していますがこれもうまくいかず、結局どちらもTDを取られています。

これからわかるようにこのプレーは非常に守りにくいです。ただこの場面でこのプレーをやってくるあたり、チーフスオフェンスは抜け目ないなぁと。

と言うわけで戦前の予想から打って変わって非常にロースコアな展開となって25-22でチーフスがペイトリオッツ以来となる連覇を達成しました。5年で3回のスーパーボウル制覇ですからもう完全にチーフス王朝ですね。
ここ何年かそうですが、来年は完全にリーグ全体でストップザチーフスとなりそうな予感です。

まさかOTまでもつれ込むことまでは予想していませんでしが、おかげでこの感想もだいぶ長くなってしまいました。

ここまで全部読んでいただいた方がいましたら本当にありがとうございます。最初に解説ではなく感動ですと言いましたがまさしくその通りです。ただ、ダラダラと書いてきただけなので間違っているところや取り上げるべきプレーも触れていない部分もありますがご容赦ください。

またそのうちコラムや日記をあげたいと思うので良かったらゆっくりお付き合いいただけると嬉しいです。



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